サービスをはじめた背景

私どもについて

私達は、もともとは、米国日本人医師会に寄付をしようと思い立った、東日本の大学医学部の有志です。
ニューヨークや武漢などの情報がいち早く入ってきており、古い知己のためにアメリカに寄付をせねばと集まりましたが、税関や国際送金の事務手続きで苦労したために会社を作りました。


そのうちに、世界中の医療物資の使用量が増えた影響で、日本も医療物資の不足が深刻になってきたため、NPOのジャパンハートと協力して、クラウドファンディングで1.5億円を集めて、日本中の大病院にマスクを届けました。私達の担当は、輸入と真贋の判定と配布先の選定でした。閉鎖すると医療の崩壊に繋がりかねない大病院の中でも困窮しているところを調べ、公的機関が動き出すまでの「1ヶ月を繋ぐ」ことを目標のボランティア活動で、実際に医療物資の使用制限が緩和したところもあります。


その後、政府が医療機関に医療物資を配布するようになり、私達の役割は介護施設等のための調達などに限定的なものになりました。その頃、問題になってきたのが、PCR 検査能力の不足です。中国などでは、圧倒的な検査能力で陽性者が出ると地区単位で検査をして感染経路を追跡して感染者を隔離しました。

PCR検査が進まなかった理由


しかし、厚生労働省の上層部の話を聞くと、「PCR 検査能力が低いから、濃厚接触者に絞って検査をするクラスター対策をする、クラスター対策をするから、PCR 検査能力が低くてもよい。」という理由であまり検査能力の拡充に肯定的ではありませんでした。この理屈は非常に筋が通っています。

もう一つ、検査の拡充を止めたのは、感度と特異度の話の受容です。
実は、PCR 検査は、正しく行われれば、非常に特異度が高い検査です。1000万人に検査をして、すべて陰性だったという海外のデータもあるくらいです。
また、感度も低いものではありません。何を真として感度を計算するかという問題はありますが、一般的に、感染を広げている感染者の唾液には1mlあたり1000万コピー程度のウイルスが含まれています。正しく実験をすれば100コピー程度から読めますから、これを読み落とすことは考えにくいのです。

もちろん、正しく行われればという条件つきです。私達は大学の中の人々ですので、PCR の装置は見慣れたものです。
しかしながら、それは生物学や基礎医学の研究用のものであり、検査用としては、大手検査会社や保健所が機械を持っておりましたが、規模が足りず金額も高いものでした。

そして、検査が進まないもう一つの理由は、民間クリニックが協力に躊躇したことです。

日本は中央集権国家ではありませんから、民間クリニックの協力を仰ぐ必要があります。その際、保険点数を1.8万円と設定し、発熱外来を設置して動線を分けることによる感染拡大防止を要求し、また、無償で受けられるための条件を設定しました。ところが、大手検査会社(昔からある定期健康診断の血液を検査しているようなところです。)は、1.6万円で新型コロナの PCR 検査を受託しております。よって、防護具などを買い、さらに発熱外来によって動線を分けて、さらには感染者が出入りしているという噂によって既存顧客の評判を落とす可能性があるため、協力をすると損をするという仕組みです。


そして何よりも医療従事者たちも怖がっているのです。


もしも、お近くのクリニックで発熱外来を設置されている所があれば、それは経済学的合理性ではなく、使命感からしているものです。

そうした、大学を巣立っていって前線に立つ仲間たちを支えるために、大学に残った私達は何をできるのでしょうか。それだけではなく、クリニックから保健所に検査を依頼するのですが、保健所のキャパシティの問題もあり、断られることもあります。

PCR検査の現状


さらに、陽性者が出たときの濃厚接触者の検査も追いついておりません。
実際にあった保育園の例では、保育園の先生に陽性者がでたため、1週間かけてその先生の担任する園児と同僚を検査したところ、ほとんどが陽性でした。

さて、あなたは、そこの保育園に子供を通わせていて、奥さんが調子が悪いといいます。お子さんは濃厚接触者ですが、奥さんは濃厚接触者ではありません。濃厚接触者の条件は 1 m 程度で15分以上ですので、だいたいそうなるでしょう。
このような場合、自由診療を行うクリニックに行くことになります。かなり高額だとおっしゃる気持ちはよく分かります。


しかしながら、その後ろには、発熱外来を設置し、検査会社に1.6万円を払っている現実があります。そして、医師や看護師を雇い、後ろで防護具を付け替えています。保健所のキャパシティーや大手検査会社の検査が変わらないのは、実は、PCR 検査の「技術革新」にキャッチアップしていないからです。



海外の研究者仲間から聞くと、たとえば、中国が感染を抑えるためにしたことは、基本的には日本と同じでクラスター対策と分かります。ただ、濃厚接触者よりもかなり広い範囲で検査をしています。ただ、現状日本にはその技術がありません。私達は、大規模に PCR を回せるようにすることで、感染を抑えるためには、感染者の接触者やその接触者が高確率で含まれる範囲を一気に検査することができるようにすることを考え、そのための技術開発として、このサービスを立ち上げました。

また、これは感染者を見つけることで、感染を抑制することになります。
そして、流行状態を追うデータができることも重要です。この前提で、サービスを設計をするといくつかの技術的な壁が見えてきます。まず、流行状態には地域差があるので輸送を前提とする必要があります。広範囲から集めるならば保険診療は難しくなるので、自費診療となります。また、症状がある人を見られるようにする必要があります。自費診療の PCR 検査は、実は、調べた限り、私達以外に、症状がある人や濃厚接触者を受け入れていると書いているサービスはありません。

発熱するとお断りされてしまうのです。というのも、検体の無害化をせねばならず、ラボの中の工程も含めて技術的難易度が上がるからです。そして、大量にさばくために IT も含めた技術開発が必要でした。



さまざまな分野の人々が集まることでこのサービスはできております。さまざまな幸運もあり、当初の米国への寄付の際に募金に応じた東京TMSクリニックの中で安定して検査をできる環境を整えることができました。

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