人々に安心と安全を届けたい。
「人々に安心と安全を届けたい。」
それが、私たちの想いです。
新型コロナウイルスが日本で感染拡大してから半年以上がたち、私たちの暮らしは大きく変わりました。
「卒業式・入学式」は中止、「結婚式」のような重要なライフイベントもキャンセルされ、ライブやコンサートなどの芸能活動も延期・中止が相次ぎ、世の中の経済は大きく低迷しました。
新型コロナウイルスは、無症状の人が周りの人に感染させるという他のウイルスとは違う特徴があります。しかしながら、現在PCR検査が実施できるのは、症状のある方または濃厚接触者と指定された方などです。
家族や大切な人に会いたくても自分がコロナにかかっているか心配。
仕事の都合上、たくさんの人に会わなければいけないが不安。
東京から地方にいくと、東京からきたことがわかると嫌な顔をされる。
このように、自分は無症状だが念のため検査を受けたいなど、PCR検査をしたくてもできない方が多くいることを実感しました。
私たちは、そのような社会のニーズに応えるため、安心・安全な『郵送PCR検査』の提供をはじめました。
これまでの新型コロナに対しての取り組み
(株)F Medical Equipment は、武漢やニューヨークの惨状を聞いて集まった医師・医学部教員が設立した新型コロナウイルス対応のための会社です。新型コロナのアウトブレイクを防ぎ、医療崩壊を防げるためならどんなことでもする。その言葉を胸にこれまで新型コロナウイルス感染症と戦ってきました。
1月、COVID-19が日本に上陸してから感染が次第に拡大し、4月の段階で医療機関でマスク等が足りなくなり院内感染が深刻化しました。
まず、日本よりもニューヨークから助けを求める声があがり、すぐにマスク・ガウンなどのPPE(個人用防護具)を中国から輸入し、アメリカへ寄付を始めました。
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/777814/
日本でも、その経験を生かして医療機関にマスクを支援するため、NPO団体ジャパンハートと協力してクラウドファンディングを立ち上げ、200万枚のマスクを日本中の医療機関に届けることができました。
https://readyfor.jp/projects/JapanMaskProject
6月、日本はなんとか第一波を食い止めることができ、マスク等の不足も解決に向かいましたが、8月に入って発表された4月ー6月のGDPは、前年対比-27.8%と史上最悪の減少となりました。
日経新聞(2020年8月28日)
9月に入っても、依然として新型コロナウイルス感染症が終息する目処は立っていません。
日本の経済活動を取り戻すため、新型コロナの拡大をこれ以上防ぐため、PCR検査を広く実施することで、社会経済に多く貢献できることがわかってきました。
特に無症状の方のニーズに応えるため、『郵送PCR検査』の提供をはじめました。
まず感染が拡大しているフェーズでは、発熱などの症状が出た場合、周囲の人も含めてすぐにPCR検査を実施して陽性者を適切に隔離する。これで、一緒に暮らしている家族間の家庭内感染や、職場での感染、病院等での院内感染を含めてかなり危険な例をおさえこむことができます。
新型コロナの感染状況が落ち着いているフェーズでは、十分な検査能力を活かして、無症状者にPCR検査を行うことで、ライブやコンサート、入学式や運動会などのイベントを安心して行うことができると考えています。
「また旅行をしたい」「もう一度コンサートにいきたい」
「子供に卒業式をさせてあげたい」……… などのみなさんの願いを叶えたい。
そして最終的には、子供から大人まで全ての人に、安全と安心を届けられればと思っております。
そのためには検査を必要な人に優先的に割り当てることに並行して、検査能力を増やさないといけません。
しかし、現状は無症状の方どころか、濃厚接触者や症状のある方が検査待ちをしている間に、感染を広げてしまっていることすらあります。
せっかくPCR検査を行ったとしても、結果が出るまでに日数がかかると、クラスター発生防止の効力が失われてしまいます。(一般的にPCR検査の効果は検査後数日と言われています。)
全国の保健所や医師会は、日々新型コロナへの対応を精一杯していますが、検査能力が不足しているのが現状です。
小規模なラボをあちことでつくって、人が限界まで働いて処理能力を上げるというやり方では限界があります。
また、患者さんからとった検体は、都道府県や組織をまたいでやりとりすることができません。そのため、ある地域ではクラスターが発生して、検査機関がパンク寸前であっても、別の場所では余裕があるという状態が発生しています。
最終的に、新型コロナのPCR検査については、国や大企業が数万人規模の検査ラボを全国に数ヵ所つくるか、もしくは数万人規模の検査ラボで、互いに検体をやり取りできる機能をつくらなければ解決しないと思われます。
しかし、それを待っていては、人々の貴重な健康や生活が失われていくのを止められません。
そこで私たちはとりあえずできることから始めるために、郵送でのPCR検査を始めました。
郵送PCR検査サービス開始
既に述べたような大きな処理数を実現するには、十分な機械化と、複数のPCRを集約的に動かすオペレーションマニュアルの開発が必要になります。
いきなり大きいものを作ることをできないため、まずは半自動化された、1日に約2000人が処理できる施設を設置しました。
そして、より簡単に検査が受けられるよう、PCR検査キットを送付し、自宅でPCR検査を受けられるようにしました。
郵送でPCR検査ができることによって、主に地方で問題になっている差別の問題にも寄与できるかもしれません。
検査能力が増えることにより、クラスターが発生した病院にPCR検査を無償で供給するなど、いままでならできなかったことに挑戦できる可能性が出てきます。
現在、リモートワークに移行することが難しいエッセンシャルワーカー等の方々を守るため、週一回のサブスクリプションモデルをPCR検査サービスに導入しています。
PCR検査の有効な使い方
PCR検査には有効な使い方があります。濃厚接触の疑いがあるときや、熱が出ているときに1度だけ受けることはもちろん必要ですが、職場を守るためにはその使い方ではあまり効果がありません。
そもそもPCR検査とは、検体を採取してからの数日間は、他人に感染させないことがわかるというものです。
例えば、月に1回検査をすると、30日のうち数日間は他人に感染させることがありません。そのため、本来なら「3日に1回」PCR検査を実施することが理想的です。しかし、現在の検査能力やみなさんの生活を考えた場合、まずは「週に1回」のPCR検査をできる限り安く受けられるようにすることが、最初のゴールだと思っています。
私たちは決して大きな組織ではありません。その私たちが、少人数でもそれなりにPCR検査サービスを導入することができると示すことで、後に続いてくれる方々が増えるのではないかと思っています。
まずは、協力してくれる医療・検査機関が増えること、そして最終的には国や大企業が動いてくれることを切に望んでいます。
それまで、私たちの挑戦は終わりません。
2020年9月末日