芸能人・スポーツ選手が、新型コロナに感染していたことが報じられる際に、無症状だけれども PCR 検査によって陽性だと分かったと書かれていることがあります。
つまり、無症状でも PCR 検査を受けているのです。
実際、メンタリストDaiGoさんが、毎週PCRをしていることが話題になりました。
新型コロナは発症前から他人への感染性がある?
どうしてこのようなことをしているのでしょうか。
実は、新型コロナウイルスは、発症前からも他人への感染性があるという特徴があります。
感染したとしても、30%〜50%は発熱や咳などの感冒症状がなく無症状のまま、無意識に感染を広げてしまいます。世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染者のうち約40%が無症状の感染者からうつされていることを明らかにしています。
感染をコントロールするには、積極的な検査により症状がない感染している人を早期にみつけ、クラスターを予防する必要があります。
週1回PCR検査の必要性
ワシントン大学の研究成果を用いたシミュレーションでは、全員に対して検査をしない、月1回PCR検査、週1回PCR検査を比較したところ、検査をしないよりも月1回PCR検査の方が、月1回PCR検査よりも、週1回PCR検査の方が集団での感染を防ぐことができると明らかになりました。
散布図
累積分布グラフ
※シミュレーション:1000人の集団に1人の感染者がやってきたときに、全員に対してPCR検査をしない場合、月1回PCR検査、週1回PCR検査により、最終的にどの程度の感染者が出るかを繰り返し1000回ずつシミュレートしています。(SEIRS+モデル https://github.com/ryansmcgee/seirsplus、R_0=2.0)
週1回のPCR検査を続けることで、集団全体に感染が広がるのを大きく抑えることができるということが示されています。
無症状でもPCR検査を
現在の日本では、感染兆候があったり、濃厚接触者になったり、COCOAで接触通知が来た際のPCR検査が推奨されていますが、コロナウイルスの封じ込めに成功した中国や、世界全体としても、PCR検査を無症状でも社会におけるクラスター予防として行うことが推奨されています。
抗原検査や抗体検査は、感染初期や軽症例は陽性にならないため、PCR検査で「現在の他者への感染性」を週1回の頻度で明らかにすることをおすすめしています。
私たちは、東日本を中心とした医師・医学部教員・医学生とクリニックからなる団体です。 全国500の医療機関に1.5億円のマスクを寄付したあと「pcrnow.jp」で郵送の PCR 検査のサービスを提供してます。
PCR検査が芸能人やスポーツ選手だけのものじゃなくなるよう、これからも週1回のPCR検査を提供していきます。
参照:
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.06.22.20136309v3
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m1163.long
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30936-3/fulltext4/22
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2768923